自分の住んでいる住宅を担保に融資を受けられる「リバースモーゲージ」制度は、おもに低所得者や高齢者の方を中心に活用されています。
しかし、一戸建て住居では利用しやすい一方で、マンションでは難しいのではないかと不安に感じる方も少なくないでしょう。
今回は、マンションの売却を検討する方に向けて、制度の概要や利用するための条件についてご紹介します。
マンションは売却しなくても安定した融資が受けられる?リバースモーゲージとは
そもそも「リバースモーゲージ」とは、住宅を担保にし、金融機関や公的機関から融資を受けられる制度で、おもに55歳以上の高齢者の方を対象とした制度です。
定年退職してからは一般的な融資が受けにくくなりますが、この制度を活用することでまとまった融資を受けられます。
担保に入れられた住宅はそのまま住み続けられますが、契約者の死亡など契約が終了した段階で売却され、借入金の返済に充てられます。
なお、このとき相続人が全額返済をおこなうことで、売却を回避することも可能です。
遺族に金銭的な負担をかけることなく、また自宅を売却せずに、老後の資金を得られる点が大きなメリットです。
マンション売却におけるリバースモーゲージと利用のための条件とは
実はマンションは、資産価値が変動しにくい土地が含まれる一戸建て住宅に比べ、リバースモーゲージの対象となりにくい特徴があります。
ただし、次のような条件にあてはまる物件では、リバースモーゲージを利用できる可能性が高いです。
資産価値の高いマンション
リバースモーゲージでは、返済に充てられる物件の資産価値が重要視されるため、物件の立地環境や状態によっては対象となります。
次のような物件は、資産価値が高い傾向にあります。
●大都市やターミナル駅のアクセスがよい
●大型商業施設が隣接しているなど、生活環境がよい
●犯罪件数や事故件数が少ないなど、治安がよい
●住みたい街ランキング上位など、人気のエリアである
築浅物件であるマンション
マンションの資産価値は、築年数によっても大きく変動し、一般に築年数20年以下の物件は築浅物件とみなされます。
金融機関によっては、契約者の100歳時点でのマンションの築年数をみる場合もあるため、注意が必要です。
より詳細な対象物件や制限などは、金融機関もしくは公的機関によって異なるため、気になる方は相談してみることをおすすめします。