さまざまな生き方が許容される時代になり、暮らし方や働き方を見直す人が増えています。
そうした風潮のなかで「今後の住宅ローン返済に不安がある」「今住んでいるマンションを売って一戸建てを建てたいので現金がほしい」などの理由から、ご自宅の売却を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方々にぜひ知っていただきたいのが、自宅を売却した後も住み続けられる「リースバック」というサービスです。
この記事では、とくにマンションに現在お住まいで売却を検討している方に向けて、リースバックの仕組みやメリット・デメリットをご紹介します。
売却しても住み続けられる「リースバック」利用する人の特徴や仕組みの内容は?
リースバックは「セール・アンド・リースバック」の略称で、その仕組みは自宅を売却後、買主と賃貸借契約を結び、家賃を支払うことで自宅に住み続けられる、というものです。
リースバックを利用すると自宅を現金化できたり、自宅の所有者が買主に変わったりします。
そのため、以下のようなさまざまな理由で利用されています。
●住宅ローンの支払いが困難だと感じている
●病気の治療などで現金が早急に必要になった
●現金が必要だが、住み慣れた家は手放したくない
●早めに相続対策をおこないたい
それでは具体的にリースバックを活用したいと思った場合、どのような流れになるのでしょうか。
初めに、マイホームであるマンションを売りに出します。
不動産業者やオーナーといった買い手が見つかれば、相手と「売買契約」を締結します。
その後、「賃貸借契約」を取り交わし、毎月家賃を支払いながら住むという流れです。
売却しても住み続けられる「リースバック」メリットとデメリットは?
続いて、マンション売ってリースバックをするメリットやデメリットを見ていきましょう。
メリットは?
●マイホームの維持費を抑えて、今まで住んでいた家に住めること
ローンや固定資産税などの支払いがなくなるので、資金面の不安が小さくなります。
●マイホームを売った事実をご近所や親せきなどに知られにくいこと
今までと変わらずに住み続けられるので所有権を手放したことを気づかれにくいのです。
●将来的に買い戻しができること
売却をする際に「再売買予約権」をつけることができる場合があり、資金に余裕ができたときなどに再購入することができます。
デメリットは?
●物件の売り値が相場より低い傾向があること
物件次第ではありますが、一般的には周辺の相場の60~90%ほどになるとお考えください。
●賃貸借期間が無期限ではないこと
リースバックで賃貸借契約を締結するときに、多くの場合「定期借家契約」で結ばれるため、住める期間が限られます。
再契約はできることもありますが必ずしもできるとは限らないので、「普通借家契約」を選択できる買い手を見つけられるとよいでしょう。
●売り値がローン残額を上回らないとリースバックできないこと
基本的にはすべての不動産がリースバックの対象ですが、住宅ローン残債がリースバックの買取額より高いオーバーローン状態である場合、リースバックを提供する業者によっては利用制限があることがあります。