ドラマなどで出てくる事故物件。
一般的には、人が亡くなった事実があるなど、住む人にとって心理的に抵抗のある物件を指します。
ネガティブな印象があるので避けられがちですが、実際に所有している物件が事故物件になってしまい手放したいと考える場合、どのように売却すればよいのでしょうか。
この記事では、事故物件のなかでもマンションについて、売却方法や売り値相場をご紹介します。
事故物件に関する心配や疑問を解消するために、ご参考になれば幸いです。
事故物件を売却する際に押さえるべきポイントと売却方法とは?
事故物件を心理的瑕疵のある物件ということがあります。
瑕疵とは欠陥や欠点のことで、瑕疵のある物件については、それを買主に事前に伝える「告知義務」があります。
告知義務を果たす
告知義務とは、マンションの部屋やエレベーター、屋外の敷地内などで殺人や自殺が起きたことがあったり、該当の部屋で孤独死や不審死などが起きていたりした場合、その物件の買主へ事実を噓偽りなく説明しなければならないという売主に課された義務です。
なお、どのようなケースが事故物件に該当するかは法律では定まっていませんが、2021年5月に国土交通省が作成したガイドライン案によると、買主が不快感を抱くかどうかがポイントとなるようです。
なかには1部屋だけでなくマンション全体を事故物件と呼ぶこともあるので、覚えておきましょう。
告知しないとどうなる?
買主に伝えるべき事実があるにもかかわらず告知せずにマンションを売却してしまうと、売主は「告知義務違反」になります。
売却後に買主が過去の事件や事故を知った場合は、「心理的瑕疵」が認められ、契約内容と異なっていることを理由に、契約解除や損害賠償請求にいたる可能性もあります。
事故物件に関してはさまざまな裁判例がありますので、大きなトラブルに発展しないためにも告知を怠らないようにしましょう。
告知義務を果たせば、その後の売却手続きは一般のマンションと同じ流れをたどります。
売り値、セールス範囲、キャッチコピーなどは不動産業者と相談してから売るのが一般的です。
事故物件の相場はどうなっている?
続いては気になる事故物件の売り値相場について。
一般的に事故物件の売り値相場は、そうでない物件に比べて1割から5割ほど低くなる傾向があります。
人が亡くなるといっても殺人や自殺だと割引率が大きく、孤独死などの死因のほうが割引率が小さくなるのが一般的です。
もちろん事故物件も不動産なので立地、周辺環境、築年数などの要素が価格に関わってくることも把握しておきましょう。
ただし、過去に事故が起きた物件だからといって、必ずしも売り値相場が安くなるとはいえません。
なぜなら、事故物件に対する印象や心理的瑕疵は人によって感じ方が異なるからです。
そのため、売却価格は不動産のプロである不動産業者としっかり相談して決めることをおすすめします。