今世界で猛威をふるっている新型コロナウイルスが、私たちの生活に甚大な影響を与えています。
不動産業界においてもコロナ禍に影響を受けていることは事実ですが、マイナスの影響ばかりではないことがわかっています。
そこで今回は、マンションの売却を検討している方に向けて、コロナ禍におけるマンション売却の実態についてご紹介しましょう。
コロナ禍でマンションを売却する人が増加したのはなぜか
コロナ禍によってテレワークやステイホームでの休日が当たり前になり、自宅についての価値観が変化した方もいらっしゃるように感じます。
そのなかでもマンション居住者が売却する動きは年代によって大きく異なっています。
データをもとに、ニーズごとの売却増加理由を考えてみましょう。
●住み替えニーズ
50代・60代のニーズが増加した一方で、30代・40代は減少しました。
ニーズが高まった年齢層は、子どもが大学進学や就職によって自宅から巣立ち始める年代のため、老後を見据えた住み替えを希望する人が増えたといえそうです。
●金銭的な理由によるニーズ
コロナ禍において収入が減ったり仕事を失ったりする方は多く、金銭的な問題を理由にマンションを売却したいというニーズは、60代のみ増加しました。
一方で、働きざかりである30代・40代の売却ニーズは増えていないことから、コロナ禍における仕事の変化が直接的にマンション売却につながっているわけではないと考えられます。
●資産整理や財産分与によるニーズ
こちらも60代のみ増加しており、30代・40代は横ばいで、50代は減少しています。
相続など将来に向けて備える動きだと考えられます。
参考:PR TIMES【消費者調査】『マンション売却動機から検証』コロナによる「移住」ニーズは50代、60代以上で顕著に~中古マンション流通レポート2021年4月vol2~(参照2021年8月27日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000013438.html
コロナ禍でのマンション売却価格はどうなる?
マンションの売却を検討するうえで気になるのが売買価格です。
コロナ禍において経済が悪化し、高値が出にくいのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、マンションの売却価格は下がりにくい傾向にあり、東京23区の物件はむしろ購入価格を上回って売却できたケースが多いです。
マンションレビューのアンケートによると、2020年3月から2020年12月の間にマンションを売却した人のうち64.2%は購入価格かそれ以上の価格での売却に成功し、そのうち17%は売却益が1,000万円以上出たとのデータが出ています。
立地や物件状況によって物件価格は大きく変わりますが、都心部は土地の価格が下落しづらく、常に一定の資産価値があります。
コロナ禍において収入減や失職の問題は増えましたが、職種によっては収入が増えた層も存在するなかで、都心部のマンションの需要が高まった結果、このようなデータが出たのではないでしょうか。
参考:PR TIMES 住まい事情の「コロナ格差」、「売却組」は10年住んでも儲かった!コロナ禍でのマンション売却、64.2%は購入時と同額以上、17%は+1,000万円以上で売却―「マンションレビュー」会員アンケート調査(参照2021年8月27日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000009420.html